巻き枯らし

皮むき間伐体験に参加して
4月上旬、大西よしはるさんを中心にした方々が2年前から行なっている
「皮むき間伐」の体験に行きました。
富士の空間工房ロハス、寺崎さんの紹介です。
場所は富士宮市、富士山麓の桧植林地です。

以前から「まき枯らし」という間伐方法があることを聞いていて、
実際に見てみたいと思っていました。
「皮むき間伐」は皮むきまで行なうまき枯らしの手法で、
木を立ったまま枯らし間伐する方法です。
と言ってもイメージできる人は少ないと思います。
この写真を見るとどうでしょうか。すこし見えてきますね。
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具体的には、まず木の表面にのこぎりで切れ目をぐるっと一周入れます。
木は水分、養分を表皮の裏側通して吸い上げています。
そこを遮断すると木は水分や養分を上げられず立ったまま枯れていきます。
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実際に昨年行なった木(左の画像)を見ると緑だった枝葉は枯れていました。
葉枯らしという自然乾燥の手法はご存知の方が多いと思います。

葉枯らしは伐採した枝葉をつけた木をそのまま数ヶ月放置することで
水分を抜く方法ですが、皮むき間伐は木を立てたまま葉枯らしを行なうのです。

いずれも、水分を十分に含んだ木を運び出すには
その重量のために相当の労力が必要なことになるので、
現場で出来るだけ木を抜き軽くする工夫なのです。

「皮むき間伐」は事前に皮をむいておくのでその後、
材の活用工程で無駄が少なくなります。
但し、皮を剥くためには最適な時期を選ばなくてはなりません。
木が水分を上げている時期4月から8月となります。
この時期は樹液が木の皮の下に幕を張ったようになっているので
皮が剥きやすいのです。
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立ち枯らしした木は数年後(どの位おいて伐採するのがいいのか検証中と言っていました)
に伐採されます。間伐は間伐された木材の利用が大きな課題です。
間伐にかかる経費が間伐材の活用から生まれると
更に間伐を進めていく原動力になります。

ここでは皮がむかれた丸太で小屋を作ったり、
家の内外装にとユニークな利用方法を提案されていました。
森の再生には間伐が欠かせません。
山側の間伐材活用は硬直したままです。広く市民レベルのアイデアが求められています。
「間伐が必要ないように最初から間をおいて植林すればいいのに」と思いますね。

でも、なぜ最初は密に(約1.8m間隔)植林するかという理由も
この「皮むき間伐」体験から実感することが出来ました。
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富士桧の森は実に整然と植林されていました。
しかし間伐されていない森は暗く、下草も育たない状況はここでも変わりません。

地肌は富士山の火山灰や溶岩で覆われ、
ところどころ大きな溶岩の塊が現れています。
林道を歩いていくと変形した桧を多く見かけました。
Sの字や二股になったり。
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当日は今年の皮むき間伐の仕事初めにあたり、
オープニングフェスタとして森に感謝するセレモニーが行なわれました。
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大西さんからこの取り組みと具体的な皮むき伐採の説明があり作業の開始です。

説明の中で印象的だったのは間伐計画の数値表です。
限界成立本数、形状比成立本数、間伐限界本数と表数値が分れ、
理想の木の本数、木が支えあって立っている限界本数、
これ以上は間伐してはならない本数を早見表にしてあり、
木の胸高径の合計が80m2/1haが理想とされていました。

この他植生荒廃の判定表も説明していただき
健全な森のイメージが理解できました。
森の状態により間伐方法も選択され、
皮むき間伐は植生の荒廃が進んだ森の対処方法と言えるようです。

急激な間伐はひ弱な木が直接風雨にさらされることになり、
強風で倒れてしまうそうです。そのためには木がお互いに
支えあう関係も保たなければならないとのことです。
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さて、難しい話はここまでで実際の体験です。
女性や子供さんや多く参加されていてチームを組んで
50m2単位で間伐本数を調査割り出し、
選別し皮むきを行っていきました。選別は太さ、曲がり、変形、などを確認し、
早見表を頼りに50m2/1haを目標にし選別します。

全ての木がうまくむける訳ではありませんでした。
子供の力でも皮が一気にスラーっと気持ちよくむける木もあり、
そうかと思えば、根気良く皮むきしなければならないものもありました。

木は同じ土地に植林されても育ちも性格は違うのですね。
それだけに将来選別できるよう最初は蜜に植林されるのですね。
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裸にされる木を見るとかわいそうな木もしますが、
健全な森へのサポーター樹木として感謝です。

日本は400万haの森で間伐が待たれています。
1人当り100坪の森を担当し、一人40本の間伐をすれば
日本の森が蘇ると大西さんは夢を語っています。

専門家でも無くても出来そうな皮むき間伐、
伐採した木は軽くて女性でも運び出せるようです。
富士の森はなだらかな土地で交通の便もいいので、
町の人達が気楽に参加して皮むき間伐ができると感じました。

大井川の森ではどうだろうか。
急傾斜の多い大井川の森は足元が不安定で危険も伴います。
出来ないといってしまえば終わってしまいます。

山主さんに可能な森を提供していただくことが出来たら、
家を建てる方々と皮むき間伐を実践してみたいと思います。
間伐材に触れてみることで間伐材を知り、
周りを見ることで活用のアイデアがわいてくる。
そう期待します。
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by hiho-sugi | 2008-05-14 20:00 | | Comments(0)
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