「台風13号が発生したみたい」
事務所内に誰かの声が流れる。 近ごろの巨大化する自然災害,台風情報にも敏感になっている。 今では居ながらにしてリアルタイムの情報が手に入る。 にわか気象予報士も増えている。 私もその一人。 周辺の高気圧、低気圧の位置や偏西風を掛け合わせて進路を予測する。 中心気圧で台風の強さを判断し、進路によってその変化を調整する。 風の強さ、方向は地表付近と上空とに分けて情報提供されている。 衛星画像は晴れと雨の範囲を明確にする。 台風の進むスピード、コース、雨量、風速、風向きで被害予測する。 にわか予報士に十分な情報がそろう。 私たちは家づくり・家守りを仕事としている。 住まい手さんへ向けて 災害想定と備えの情報提供が求められている。 立地条件、周辺環境、そしてそれぞれの家のつくりは多様になり、 当然備えも多様になる。住まい手さんがわからない点も多い。 かつての災害への備えは雲の動き、植物や家の素材の異変や変形や 虫や動物の動きなどから異常を感じ取り、 その土地に暮らす長老の感や経験そして地域の言い伝えによるアドバイスをもって行われた。 しかし、地域や家族の中にあった貴重な「備えの知識・言い伝え」は消えつつある。 私もこどもたちに伝える備えの知識をあまり持ち合わせていない。 「ならいの風が吹いたらな・・・・」「雲が西に向かう時はな・・・・」などなど そう言えば小さなころいろいろ聞いていた気がする程度。 一方「過去の言い伝えは今の異常気象には通じないよ」と答えが返ってきそう。 台風の話しに戻そう。 台風が近づくと工務店は緊張する。 特に台風が海側か陸側かどちらを通るかが気になる。 海側をかすめていく台風は勢力が衰えずに進んでいくので警戒する。 左巻きの台風の風は進路と関係し建物に影響する。 だから進路は最も大事な情報だ。 建物のどちら側に被害が出やすいか、どちら側を警戒しなければ ならないかを渦巻く台風の風が示してくれる。 過去の体験からも学ぶ。 だから、自然に従う知恵をつけて備える。 左巻きの風と決まる台風の風だからこその備えもある。 具体的に何をどうすればは別の機会に。 そうだ、工務店が集まってにわか気象予報士ミーティングやったら もっとスキルUPするかな。 #
by hiho-sugi
| 2015-08-01 08:12
| 学ぼう
性能向上を含んだリフォームがいくつか進んでます。
性能向上とは、耐震、断熱などを一定の基準まで引き上げること。 一定の基準とは、耐震であれば倒壊しない、断熱であれば外気温に左右されにくい 室温の住まい(部分的空間)の実現です。 一定の基準には数値的目安がありますが、あえてここでは書くのを止めました。 もちろん性能数値クリアは大事なのですが (公的補助金を申請する場合は数値達成で評価される場合が多い) リフォームにおいてはちょっと事情が違います。 とにかく自社で建築した建物はともかく、一般的にリフォームする 住まいは建築した人(会社)、工法、時期、地盤など実に様々で 図面上の計算が現場では当てはまらないことが多く、新築のようには行きません。 それだけに現場力が求められます。 現場力とは、現場の確認力、判断力、対応力、説明力それを補う経験と知識、 更にそれらをサポートする仕組み全体です。 中でもサポートする仕組みが大事だと思います。 例えば、耐震補強は実際に効果があって初めて「補強した」ことになるのですが ここが難しいのです。実際の現場では予定した補強が出来ない場合や 十分な補強にならない場合もあります。 経験豊富な担当者や大工さんなどであれば適切な判断ができるのですが なかなかそうはいきません。 特に近年、工法の多様化によって 古い建物を触れる経験をつむ機会が少なくなっていますし 現場の世代交代も進んで経験年数が少ない担当者になり 現場の品質管理にはばらつきが生じやすい実情もあります。 そんな時適切な熟練者が近くにいるとアドバイスも的確にタイムリーになります。 それをしくみ化できるといいと思います。 高齢化社会のリスクが話題になりますが 見方を変えてみて私には超熟練工(者)社会到来と映ります。 企業でも、地域でも家庭でもこの超熟練工(者)社会をいかす仕組みを 持てれば強いと思います。 生の経験を聞く、それですべてが正しい答えを導き出せるわけではないにしろ ヒントは得られます。そこには聞く側と話す側のマナーや気配りも必要ですが うまくこの豊かな社会的資産を回すことができれば 当たり前化するわからないことがあればすぐさまキーボードやタッチパネルをたたくこと・・・ 遠のいていく「身近に聞くこと」・・・・ からコミュニケーション回帰へと進む気がするのです。 リフォームでの性能向上は超熟練工(者)社会が支え、ストックが活かされていきます。 #
by hiho-sugi
| 2015-07-13 09:29
| 現場
これは我が家の洗濯場の画像です。
母屋と脇屋の通路部分にあるのですが ここは低い屋根でつないでいます。 直射日光が当たらない暗いところなのですが 屋根にトップライトをつけたらご覧のとおりです。 たまの晴れ間にうれしくなって 「今日は気持ちいい日だね」と言わせるこの梅雨時。 トップライトの下は気持ちのいい日が続きます。 今週末は島田相可で完成住宅見学会を開催します。 今日は社内検査でした。 検査後それぞれの感想を話します。 玄関では左官屋さんが最後の仕事をしています。 疲れて寝ているのではありません。 玄関上がり框の下のせまーいところを仕上げてくれていました。 梅雨のこの時期の外仕事は思うように進みません。 雨の合間をうまくかいくぐって仕事を進めていく職人さんたちに感謝です。 小さな工夫をこらした今週末の見学会にお出かけください。 #
by hiho-sugi
| 2015-07-01 14:27
| パッシブデザイン
来年の主要国首脳会議(サミット)の開催地に伊勢志摩が選ばれました。
「志摩には大小の島々、美しい入り江という日本の原風景といえる自然があり・・・」 との首相の言葉です。 日本の原風景って? 先日の掛川古民家の続きです。 先日ご相談に伺った家から帰る途中、同じ集落内で いくつもの茅葺民家に出会いました。 住人が離れた家、現役の家、それぞれでしたが 何かホッとする風景でした。 今では周りに家が増えてかやぶき民家はその魅力ある容姿を 周りに発揮できないでいるようです。 どの民家もほぼ25~30坪前後のサイズです。 土間があり残り4間(ま)が床を張った典型的農家のつくりだと思います。 地域に根差した標準化住宅といえます。 育暮家ハイホームスではS・K・Hと名付けた標準化住宅をつくりました。 大きさは約31.2坪の家です。 建築家伊礼さんは30坪ぐらいまでが「小さな家」と言ってますので 中の小さめの家とでもいえる大きさです。 戦前までは標準とすることでが統一感のある美しい風景をつくりだしていました。 今では「家が出来るたびに風景が壊れていくと言われます」 ひょっとしたらここで撮影させていただいた家々も やむなく壊されるかも知れません。 そしたら風景もまた変化していきます。 私たちはあまりにも自由に家をつくりすぎるのでしょうか? 改めて地域での標準を考える時期が来ているのかもしれません。 育暮家では古民家の抱える寒い、暗い、不便、不安の定番課題を 部分的に解消してきました。 でもそれだけでは不十分です。 早く定番課題を解決する総合的技術を身に着ける必要があります。 時間との闘いです。そして残すか迷われている住まい手さんに 「残す価値」を示し、安心してご決断頂けるようになりたいと思います。 やがてその努力がライフスタイルの変化に耐える古民家のリフォーム標準(化)に つながれば、先人が家を建てるときに頭に描いていた「地域の標準化」に 応えるための私たちの役割を果たせると思います。 そして、新しい日本の原風景となっていけたら最高ですね #
by hiho-sugi
| 2015-06-07 12:44
| 大切なものを残す
島田相賀の木の家で大工さんの仕事が間もなく終わるとの
ことで確認に行きました。 大工さんが終わると仕上げ工事に入るので 大工工事の手直しがあるとすれば このタイミングでやっておきます。 確認事項は大工さんの仕事とともに パッシブデザイン度の設計チェックも含みます。 ここは春から秋には気もちのいい風が吹いています。 風を上手に取り込むことができる家でなくてはなりません。 せっかく窓から入ろうとする風が抜けるところがなければ その量は減ってしまいます。 この住まいではキッチンの裏手に洗面脱衣があるので そこの風通しにはひと工夫が必要です。 設計では風の通り道として壁に開口部を取り付けることになっていましたが まず確認。 二つの穴から風が抜けていく・・いいかな。 2階へ 周辺環境を取りこんだ窓を考えようとしたけどどんな具合かな。 左側に将来取り外す壁がついて今はすこし閉鎖感がありますが 南側の窓の解放感でカバーできそうです。 勾配天井は大井川杉。 大井川の水とともに生活が営まれる相賀、 志太地域の大事な水源地になっています。 そんな相賀に 大井川の森と水で育った木で家をつくることは きっと幸せな気持ちにさせてくれると思います。 完成見学会は7月かな? #
by hiho-sugi
| 2015-05-27 10:03
| パッシブデザイン
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