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プチTripイン沖縄 訪問記 その2

爆弾低気圧と称された春の嵐が2回もやってきました。

台風襲来のような覚悟(イメージ)がなかったためか、
ことさらに強い風が吹き荒れた感があります。

強い風や雨に見舞われると、建てさせていただいた家の様子が気になります。
家は災害から人を守る器です。
安心して暮らしていただける家を、出来るだけ地域の自然な素材でつくる、
育暮家ハイホームスのコンセプトです。

さて、沖縄に行った時の話その2です。

沖縄と言えば、台風銀座。
夏には常に強い勢力の台風が襲ってきます。

アメリカ軍がコンクリートの家を持ちこむまで
沖縄は素敵な木の家の文化でした。
台風銀座で木の家?
しかも、この写真のような。
プチTripイン沖縄 訪問記 その2_b0097889_7582781.jpg

「木の家が多かった子供のころ、台風が来るたびに
家族みんなで雨戸をしめ、竹で外から押さえる作業を繰り返したことを
覚えています。」と沖縄の人。

でも、それだけで木の家は風速60mに耐えられるのでしょうか。
そこには風対策がいろいろあったのです。

まず、家を低くつくり、周りには風除けを施す。

その風除けを一つ紹介します。

この樹木です。
「フク木」
プチTripイン沖縄 訪問記 その2_b0097889_7545032.jpg

かつては家の周りに防風林として植えていたようですが、
那覇では道路わきの街路樹として植えられれていました。

とにかく葉っぱが厚くてかたくて大きい(15cmぐらい)。
このかたい葉っぱが重なり合い壁となり強風から家を守ります。
プチTripイン沖縄 訪問記 その2_b0097889_7282965.jpg

このフク木のもう一つの「おりこうさん」は
涼しさをつくること。
フク木の葉っパはかたいので日常の風でなびくことはありません。
葉と葉の間は適当に隙間を確保し、風を通すのです。
沖縄の人は「風を呼び込む」と言ってました。

ヒュー、ヒューと音が鳴ると言ってたかな?

風は狭いところほど風速を上げます。
家と家の間が狭いと風速が上がる。この風を呼び込む窓が
ウインドキャッチャー窓です。(パッシブデザインのおさらいですね)

木陰をつくる「フク木」がその葉の隙間で風を呼び込み、涼しさも呼び込むのです。

まさにパッシブデザインの樹木です。

でも・・・  風を通す?防風林?矛盾?・・・・・・

風を呼び込む葉っぱの隙間は、強風時には風で押さえられ重さなり合うことで
隙間がなくなり風を遮断するのです。
ほんと  ”優れ木”でしょう。

この厚い葉に触ると・・・生きてるーーって感じさせます。
厚いけど肉感はありません。ボディービルダーの体って感じです。

街路樹のフク木の葉っぱを数枚拝借。
数日経っても色は深いグリーンのままですが、
水分を失うとパリパリと割れてしまう状態になりました。

数日前、新聞に津波の想定高さが一気に高くなったと大きな記事がありました。

災害に備える。

家を技術をもって災害に強くするのは当然のことですが、
このフク木の知恵をみると、

自然災害には「自然な力を借りて備える」
この大切な知恵を忘れてはならないなーと思います。
・・・・それが地域の風景をつくるからです。
・・・・・・・・・・故郷への思いをつくるからです。

沖縄本島の北部、本部町備瀬地区にはフク木並木があるようですが
プチ訪問ではそこまでいけません。次回には・・・・。

美しい災害への備え・・日本中にまだまだ発見できそう。
by hiho-sugi | 2012-04-11 07:49 | 沖縄
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