カテゴリ:大切なものを残す( 19 )

日本の原風景

来年の主要国首脳会議(サミット)の開催地に伊勢志摩が選ばれました。
「志摩には大小の島々、美しい入り江という日本の原風景といえる自然があり・・・」
との首相の言葉です。

日本の原風景って?

先日の掛川古民家の続きです。
先日ご相談に伺った家から帰る途中、同じ集落内で
いくつもの茅葺民家に出会いました。
住人が離れた家、現役の家、それぞれでしたが
何かホッとする風景でした。
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今では周りに家が増えてかやぶき民家はその魅力ある容姿を
周りに発揮できないでいるようです。
どの民家もほぼ25~30坪前後のサイズです。
土間があり残り4間(ま)が床を張った典型的農家のつくりだと思います。
地域に根差した標準化住宅といえます。
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育暮家ハイホームスではS・K・Hと名付けた標準化住宅をつくりました。
大きさは約31.2坪の家です。
建築家伊礼さんは30坪ぐらいまでが「小さな家」と言ってますので
中の小さめの家とでもいえる大きさです。

戦前までは標準とすることでが統一感のある美しい風景をつくりだしていました。
今では「家が出来るたびに風景が壊れていくと言われます」

ひょっとしたらここで撮影させていただいた家々も
やむなく壊されるかも知れません。
そしたら風景もまた変化していきます。

私たちはあまりにも自由に家をつくりすぎるのでしょうか?
改めて地域での標準を考える時期が来ているのかもしれません。
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育暮家では古民家の抱える寒い、暗い、不便、不安の定番課題を
部分的に解消してきました。
でもそれだけでは不十分です。
早く定番課題を解決する総合的技術を身に着ける必要があります。
時間との闘いです。そして残すか迷われている住まい手さんに
「残す価値」を示し、安心してご決断頂けるようになりたいと思います。

やがてその努力がライフスタイルの変化に耐える古民家のリフォーム標準(化)に
つながれば、先人が家を建てるときに頭に描いていた「地域の標準化」に
応えるための私たちの役割を果たせると思います。
そして、新しい日本の原風景となっていけたら最高ですね
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by hiho-sugi | 2015-06-07 12:44 | 大切なものを残す

藤枝・大沢 おばあちゃんの知恵

ちょっと報告が遅れてしまいました。

育暮家恒例?
4月に予定しこちらの都合で順延していた草餅つきを5月3日に行いました。

場所は藤枝大沢青野さんっちです
大沢の里に住むおばあちゃんにいろいろとお話を伺いながら
楽しくやろう・・が趣旨です。

ヨモギとクチナシは下大沢に住む斉藤さんが用意してくれました。
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斉藤さんいただいたクチナシを利用して
前の日の夜、もち米を黄色に着色。
初めての経験で恐る恐る。
皮をむいて水に浸した中のお米に入れると見る見るきれいな黄色に。
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嫁さんと顔を見合わせながら「すごいなあ、植物のちから」。


当日はとってもさわやかで気持ちのいい日になりました。
早くから集まってくれた人、子供さんといっしょにワイワイやってきた人。

青野さんっちではまず戸をあけることから始まり、そしてお掃除。
少し雨戸の修理が必要のようです。板がはがれてきて戸袋内にうまく収まらなくなっています。
当然、引き出すにも苦労します。

お掃除が終わると
かまどに火を入れて、お湯を沸かして臼の清掃消毒、暖め。
かまどの火の当番は子どもたち。
みんなで手分けして。
里では当然、子どもたちも「働き手」となります。
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もち米をせいろで蒸す、クチナシもちは2臼目、最後にヨモギもちと段どって。

ここで失敗が・・・
せいろを2段積みにして上にクチナシで染めたお米、
下に、ヨモギをのせたお米としました。

そしたら、あけてびっくり。
クチナシの黄色で染まったもち米がヨモギの湯気でグリーンに変色。
「アレー、あのきれいな黄色がどこかへ・・あーショック」
まっいいか。経験は学び・・なんて強がりも通じません。

ひしもちづくりの時期も過ぎてしまったので、
小さく丸めて食べてしまうことに。
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3臼目、ヨモギもちをつき始めるときに斉藤さんがやってきてくれました。
「こうしてやってみてくだい」「こうするといいですよ」
斉藤さんはとっても優しく話します。
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黄な粉とあんこ、大根の絡みもち。定番が並びます。
そして斉藤さんのところのたくわん、味噌もいい味にできました。
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みんなでそろっておもち三昧のお昼になりました。
それはそれは腹いっぱいに。
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斉藤さんに大沢部落のお話を聞きながら
鳥のさえずりがBGMに。
「気持ちいい風が来てるよー」
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ガスや電気に頼らない時間、そして気持ちい風に吹かれて。
皆さん、楽しかったですかー・・・・

斉藤さん、ありがとうございました。
みんなのお持ち帰りは
みんなの美味し手づくり草餅とおばあちゃんの里のおはなしです。
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この次はもっと「おばあちゃんの知恵」聞きますね。
よろしくお願いします。
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※青野さんちは私たちが移築した育暮家ハイホームスの里山の家です。
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by hiho-sugi | 2015-05-17 16:26 | 大切なものを残す

つつじのいのちが

今年もつつじが花を咲かせる季節がやってきました。

ここ数年、枯れそうになっている我が家の老つつじに
植木屋さんが様々な手当てをしてくれています。

つつじ2本の内、1本は元気を取り戻してくれていように見えます。
でも、もう1本はご覧の状況に。
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「つつじは太陽が好きだからね。十分に陽を当ててあげたいね」
「土はどうなの?土の状態も調べたほうがいいね」

先日、工事でおじゃました家で庭の手入れをしていた
植木職人さんにアドバイスを受けました。
セカンドオピニオンかな。

日当り?そう言えば、10年前に行った台所のリフォームで一部増築をした
ことが影響しているのかも。
つつじが影になっている?日照時間に影響がないとは言えません。

土質のこともあり、日当たりのいい場所に移すべきか、
無理せずその場で土質の改良を目指すことが良作なのか。

そうこう思案しているうちに以前静岡民家の会にお招きした時伺った
塚本こなみさんの「木のいのち」の話を思い出しました。

その時書いたブログです。
http://hihosugi.exblog.jp/18488775/

塚本こなみさんの木の命に寄せる思いと情熱。
万が一に備え早々「差し木でつないでおこう」と植木屋さん頼んだことが
情けなく思えました。
「あきらめてはいけない、出来ることはすべてやろう。」
今度は植木屋さんにそう話そう。

藤枝大沢青野さんちで行った草もちつき体験会に出かけた際、
山道にかぶさるように咲く野生?の藤を見かけた。
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厳しい環境にも負けずにがんばっているよね。
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by hiho-sugi | 2015-05-05 07:43 | 大切なものを残す

掛川へ古民家の相談に

つつじが咲いているときに見に来てください。

掛川で明治時代の古民家に暮らす方のお話を伺いに出かけました。

雨が続いたこの数週間、外の仕事が思うように進まず
職人さんたちもちょっと憂鬱に。
そんなことが一気に吹き飛ぶとてもさわやかの日です。
こいのぼりたちも気持ちよさそうです。
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ナビの導くままに1時間、目的地に到着です。

お迎え にゃあーーん。
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人なつこいネコちゃんと
つつじに囲まれたとても美しい住まいが迎えてくれました。
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ご相談はこの住まいの価値や未来のお話でした。
でも、そこにいたらご家族とこの住まいの暮らしをお聞きするだけで
こちらからの提案は今日は必要ないように思えてきました。
時間がゆっくり流れていきます。
久しぶりにすべてを忘れて・・・ぼーっとするのも。
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「お昼を一緒にいかがですか」
「あっっ、 はい」
「お話しながら食事すると愉しいですし」

周りの自然からの恵みが丁寧に調理され
いくつもの小皿に盛られて並びました。

おもてなしの心と丁寧な暮らしが伝わってきて
ごはんも更においしくなりました。

時間に追われがちな日々、
ホッと癒された1日となりました。
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大切なものを残していく。
古民家と暮らし、その一つです。
この課題にもっと本気で向き合わなければ答えは出せない。
時間との戦いでもあるこの課題への向かい方は
がむしゃらだけでなく、今日のような穏やかな時間を多くの人と共有することから
始めることかもしれない。

「なぜここに家を建てたのでしょうね」
「裏山からとってもおいしい水が流れてくるの。
その水があったからだと思います。」

静岡でも、この風景がまだまだ近くにあるのがとってもうれしいです。
体を使った手仕事の日々があってこの風景を守っていることを考えると
ほんとうに感謝です。
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by hiho-sugi | 2015-04-26 01:41 | 大切なものを残す

赤レンガの東京駅

日本増改築産業協会(通称ジェルコ)の理事会に出かけました。
増改築の団体では日本一の組織です。

増改築という言葉もリフォーム・リノベーションが一般的になってきた今、
ある人は、減改築も多くなり「増」だけでは解決しないストック活用の現状から、
団体名をもっとわかりやすい名称に変更しようと呼びかけています。
納得です。

その団体の事務局は東京八重洲口から徒歩15分の位置にあります。

理事会当日(19日)ちょっと早く着いたので、改装が完了した東京駅を見てみることに。
丸の内西側から眺めてみることに。
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1914年の開業当時の外観に復元され、どこのレンガで復元するするんだの
議論もありましたが無事完成されていました。
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復元された東京駅・丸の内駅舎をスクリーンに、コンピューター・グラフィックス映像を映すイベントが開かれました。
訪れた人たちは、幅120メートルのスケールの映像が次々に変化するごとに大きな歓声を上げていました。
・・・・とは ヤフーのニュース


まちのシンボルとしての電車の駅舎。
地方の駅が改装されるごと、その面影が失われ画一化されていく。

東京駅、よかったと思います。
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by hiho-sugi | 2012-09-23 10:28 | 大切なものを残す

のこぎりの目たて

のこぎりの目たて?
こちらも死語に近づいていますね。

※と書き出しましたが、今回のブログは長くなりそうなので、
中断を繰り返し進んでいきます。6月11日朝、書き終わりました。

周りの大工さんも最近は目たて屋さんに、目たて依頼をすることがなくなっています。
かつては、一現場が終わると大工さんたちは使用したのこぎりを「目たて屋」さんに出していました。

目たて屋さん??

「目たて屋」さんとはのこぎりの刃を整えてくれる職人さんのことです。
簡単に言えば、よく切れるようにしてくれることですね。

目たて屋さんにお邪魔することになったのは
静岡民家の会で道具講座の担当となり、
地元で刃物の話を聞かせてくれる人を探したことからです。

そう言えば、
藤枝旧商店街にのこぎりの看板が出たお店?があったっけ。
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思い出したのは、この浜野鋸店さん、屋号は「中屋春次郎」です。

このお店は田中城の城下町の一角にあり、お城を支えた職人たちが集まるエリアに位置します。
お城って、職人さんを育てる役目を担ってきたと思うのです。
お城の周りには職人を表す町名が多いように感じるし。

現在の春二郎さんは何代目、と言ってたっけ?メモべた露呈。
かつては鍛冶職人さんを雇い、素材の鉄からのこぎりを作ってきたのです。
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「家の裏には鍛冶場があって、鉄を焼き、重い金槌でたたいて焼きを入れて
のこぎりをつくっていたんだよ」
「のこぎりに焼きが入るから、金づちも焼きが入ったかなづちをつかうんだよ」
「それは暑くて大変だったね」
「火が大事なんだけど、かい炭だと火が強すぎる・・・・」・・・??

「それじゃ、刀鍛冶も出来ますよね」

「そうだよ。刀も作ってたんだ」 「へー」

「昔は藤枝にも20件余りの目たて店があってね・・・」
「今ではうちだけだけど、私ももうやってないんだ」

「ここにあるのが私が作った最後ののこぎりなんだ」
ガラス戸の棚には数本ののこぎりが置かれていました。
「見せてもらっていいですか」「いいよ」

棚から慎重に出してくれました。
と、突然!
「おいこら、素手でのこぎりを触っちゃだめだ!」
いきなり怒られてしまいました。

はがねで出来ているのこぎりはさびを嫌います。
ましてや中屋春次郎には最後の仕事の商品(作品)です。
「すいません」
建築の仕事をしているのに、道具への気配り不足でした。
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これは枝切り用ののこぎりかな。
この2種類ののこぎりには中野さんのこだわりが詰まっています。
刃の違いを見ておいて下さい。

「のこぎりは、1枚、2枚と呼ぶんだよ」

「のこぎりにはその店の特徴が出るんだ。
刃の勾配と深さ、あさりの出し方なんかにね」

のこぎりは手元を厚くして、先に行くにつれ薄くつくる。
刃の部分に焼きを入れ強度を上げるのですが、反面折れやすくなるので、
そのように作るのだそうです。(焼きが入ってなければ曲がるので折れない)

そう言えば、半分に折れたのこぎりいくつも見たことあるな。
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先が折れたのこぎりを見せてくれた。
焼き入れのバランスが悪くても折れたりするんだろうなあ。
刀だったら、命どりだ。


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棚の中に38年前の料金表が貼ってある。

ある大工さんが言っていた。
「もう十数年前から替え刃ののこぎりを使っているよ。」
「一つの現場が終わってのこぎりを目たてにだすと
5~6枚になるから、1枚¥3.000にしても¥15.000かかってしまう」
「替え刃なら5.000円ぐらいで済むしね」

建築コストが厳しくなる中、道具もメンテナンスコストと効率のなかで選択される時代。
目たて屋さんの仕事が減っていきました。

「仕事を辞めた大工さんが、使っていたのこぎりを売ってくれって言ってきたり、
目たてに出したが、一向に取りに来なかったり。時代なのかねえ」

棚の中には、行き先を失ったのこぎりが数本残されていました。
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目たて依頼があったのこぎりをみると 「大工さんの癖や性格がわかるね。」
同じように「目たてにもその職人のこだわりや技術が見えるんだよ。」
「もちろん私が作ったのこぎりでないのも目たてを頼まれます。
比べてみると違いがわかるでしょう。」
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確かに、刃の勾配の違いもわかります。

どんな仕事のためののこぎりか、どんな木を切るのに使うのか、
力の入れ具合なども考えて目たてが行われます。
切れ味を競う目たての技術は使う相手(人、木)を見ることから
始まるんだなと思います。

「あさり出し方は先を広く、手前(手元)は狭くするんだよ。
そうすれば力が少なくてひくことができるからね。」
日本ののこぎりは引いて挽く。
欧米は押して挽く。
なるほど。
あさりの説明は ここはこちらに頼ろう。http://e-tech.life.hyogo-u.ac.jp/kyouzai/nokogiri/sikumi.html

あさりだしにはいろんなサイズの金づちを使います。
往年の道具を見せてくれました。
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これは目たての際、のこぎりを挟む板。

目たては根気勝負の仕事です。
切れ味はそれで決まる。

目たて依頼ののこぎり状態は様々です。
刃こぼれのしたもの、部分的あさりが曲がったり減ったもの。

作業はまず、のこぎりの刃の上端の通りをまっすぐにすることから始め、
そこから刃の形を作っていき、あさりを出し、研いでいく。
持ち込まれたのこぎりが自分の仕事ではなかったら、他の職人の目たて技術も学びながら。
最後にあさりの再調整。
こんな手順かと思います。

「こののこぎりは、刃の間隔を先と手元と変えたんだ」
最後の仕事として棚の中に置いてあるのこぎりを取り出しました。
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「こうすれば力が伝わりやすく、切りやすいし、用途も広がるんだよ」

力任せに挽くのこぎりではのこぎりが泣いている。
のこぎりにも、人にも、木にも負担をかけない刃をつくる仕事が私の仕事だよ。
中屋さんはそう言いたいのだと思いました。

「そののこぎり売ってますか。」
「残り少ないけど数枚あるから、いいよ。」

のこぎりの包み紙は昔から、新聞紙やチラシ紙。
油紙もあったな。
丁寧に刃を包んでくれて
「大事に使ってよ。」「はい」
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仕事場の隅には、引き取りに来ないのこぎりが残されています。
仕事の移り変わり、人の移り変わり、道具の移り変わり、価格の移り変わり。

チラシ紙に包まれ、取り残されたままのこぎりにも
職人の技が潜んでいます。

中屋さん、ありがとうございました。
きっと、間違って書いたところあるかと思います。
本当に言いたかったところを汲んでいないかと思います。
でも、藤枝で守ってきていただいた「職人の技と心」は
伝えられそうです。 これからも話していきます。

ドイツには職人の技術の質を表すマイスター制度があり
社会が大切に職人を育て、その技術や修行歴を評価、尊敬している。
そんなドイツでも先日のNHKで、ものづくり現場の危機が紹介されていた。
と誰かが言っていました。

やっぱり、家は自分(住まい手さん)が手を出せる場所がいっぱいある家がいいなあ。
子供たちは家に手をかける親の背中を見て育ち、ものづくりを覚えていくからね。

あっ、板塀の板が積んだままだ。息子に電話し直す日を決めよう。
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by hiho-sugi | 2012-06-03 09:23 | 大切なものを残す

つつじが復活

我が家の裏にはつつじの老木が2本あります。
100歳を超えているだろうか。
3年前に異変が。

枝が枯れ出したのでした。
手で触ると生気を失った枝はかさかさとし、
わずかな力で折れてしまいました。

枯れてしまうのか。
大事に愛されてきたつつじがこれで終わってしまう・・・

恐怖感。

ちょうど独立して間もない、平川さんという
若い植木職人さんと出会っていたので、彼に相談することに。

「枝を払って太陽をたくさん当ててみましょう。」

つつじは枯れた枝と多くの枝を失うと哀れな姿になりました。

昨年は花をつけましたが、その哀れさは隠せませんでした。
まだ若い職人さんだから経験不足かなぁ・・・
大丈夫かなぁ・・・情けないかな植木屋さんのせいにするありさま。

そして、今年。
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周りの新緑の勢いにも負けていない、往年のつつじが現れました。
生き生きと咲く。
開いた花弁は力強く腕を伸ばしているように見えます。
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まだ7分咲き、腕を伸ばす時間を待つ多くのつぼみ達がタイミングを図っています。
よかった。
携帯電話を手に取り、植木職人の平川さんに電話する。

「花が元気にたくさんついているよ。ありがとうございます。」
心からの言葉でした。

人のつながりやきずなの大切さに、多くの心が戻ろうとしています。
丁寧な暮らしを大切にしよう。
そう思う人が増えています。

一方、暮らしの環境はそこを失うことになりがち。
今、さらに高度化する住宅。
そこを専門とし、得意とする家電業界が参入する住宅産業。

『設備化する住宅』
私たちが依頼されるメンテナンスの多くが、設備に関することに変わっています。

家って。。。。。。。
裏庭で毎年季節の移り変りを教えてくれるつつじの老木。
答えは・・「私を見てね」と言っているように思うのです。
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by hiho-sugi | 2012-05-02 08:27 | 大切なものを残す

町の人たちがが親しんできた屋号を復元中

ハチマル醤油醸造さんの屋号を入れた
外壁を復元中です。

明治時代から続いた歴史ある醤油醸造の工場と住宅・お店(事務所)が
相良須々木に存在しています。

現在では醤油作りはやめて㈱ハチマルとして
電子部品のメーカーに転身されています。

そのハチマルさんは明治からの建物を大切に残されています。
でも、あちらこちらに傷みは絶えません。
その都度、手を入れ維持されています。
そのおかげさまで
道行く人にホッとする昔ながらの景観を提供し
親しまれています。

「おたくでこの仕事できますか?」
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静岡県中小企業家同友会で親しくさせている関係から
声をかけていただきました。

一つ返事・・「やらせて下さい!」

とても大事な、価値あるやりがいのある仕事で
育暮家だからこそ、手がけたかったのです。

しかし、これは高度な左官技術が必要です。
土壁はかなり傷んでいるようだし、
屋号もしっかりつけなければなりません。
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そこで、こんな時頼りになる浜松の水野さんにお願いすることに・・・
「いいよ」
「工程をいくつも踏まなくてならないから時間はかかるよ」

大きな面積ではないけど、痛みを補修し、これから何年も
持たせる下地を作り、形をつくり屋号も付けてく作業。
「お願いします」

そして左官の工程に沿って現場に足を運んでいます。

水野さんところにはいつも左官見習い、技術習得に
各地から若者が集まっています。
跡継ぎの息子さんも一緒に作業し技術を学んでいます。
「あと5年はがんばらないと」 水野さんの気持ちです。

水野さんとのあれやこれやの工夫話は楽しいものです。

お正月までに屋号を復活できれば。
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by hiho-sugi | 2011-12-19 22:17 | 大切なものを残す

帯のこの歯がとんだ。

育暮家・・焼津・完成住宅見学会があります。7月23日~31日まで
       案内図はここから
 
7月より土、日が仕事の方が増えました。そんな事情を住まい手さんにお話し
平日の見学も可能になりました。大切なものを残してゆく住まいづくり体感ください。
(注)30,31日は自由にお出かけください。それ以外はお電話またはメールください。


きっととっても暑い日になる。
エアコンなしでお待ちしています。
夏の見学会は涼しさ(パッシブデザイン)の確認です。
スタッフがそれぞれお気に入りの焼津魚河岸シャツでお迎えします。

※檜の床です。素足での見学はご遠慮くださいね。


■■ 見学会会場では古材利用のアイデアと大工さんの技をお見せします。 ■■
 
※従前の住まいの素材を再製材し、使用しました。
大黒柱、差し鴨居、差し敷居、上がり框。
ケヤキあり、地松、檜・・みんな近くの山の木に違いない。

製材の様子をご覧ください。
  
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これは従前の家の居間の建具と構造を支えていた差し鴨居です。
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隠れていた釘でこの帯のこの歯が飛んでしまいました。
そんな大きなリスクを背負って、大切なものが残されて行きます。
それも「育暮家」。

みんなの気持ちや価値観が一つにならなければ出来ないことだと思います。

※帯のこ・・・とは
    丸太を製材するときに使用する大きなのこぎりです。
    帯のように長くつながった幅10cm程ののこぎりの歯を
    回転させて製材します。
  こんなホームページも
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by hiho-sugi | 2011-07-16 08:29 | 大切なものを残す

かけがえのない ボロン

2年前、大井川の木で家をつくる会で「大井川の森と里と海を繋ぐコンサート」を開催しました。
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その時に名古屋の加藤さんと黒木さんのユニット「ボロン」さんが歌ってくれた
「かけがえのない」を
ユーチューブにUPしました。
繰り返しのメロディーですがなにか心に響いてきます。
これが歌詞です。

かけがえのない

 かけがえのない青空
 かけがえのないこの大地
 かけがえのない緑と
 かけがえのない水の音

 かけがえのない世界で
 かけがえのない命が
 かけがえのない喜び
 かけがえのない歌声

 耳を澄ませば 聞こえてくるあの歌
 この惑星が 歌っているあの歌

 耳を澄ませば 聞こえてくるあの歌
 この惑星が 歌っている 歌

 かけがえのない太陽
 かけがえのない惑星
 かけがえのない月の輪
 かけがえのない宇宙で

 かけがえのないあなたの
 かけがえのない存在
 かけがえのないあなたの
 かけがえのない輝き

 目を凝らせば 見えてくる あのダンス
 この惑星が 踊っている あのダンス

 目を凝らせば 見えてくる あのダンス
 この惑星が 踊っている ごらん

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by hiho-sugi | 2011-06-20 08:25 | 大切なものを残す